AV出演を強要され 女性・少女に対する人権侵害が相次いでいる

HRN1

AV出演を強要され
女性・少女に対する人権侵害が相次いでいる

「タレントにならない?」
「モデルにならない?」などと
甘い言葉に騙され、スカウトされ

タレントやモデルになる夢を膨らませて
誘いに応じる若い女性たちが

AV撮影と聞かされずに
性行為などを強要されて、撮影され
その後に契約させられたケースや

拒否しても高額な違約金がかかるといわれ
アダルトビデオの出演を強要されるという
被害が相次いで報告されていると言う

日本を本拠とする国際人権NGO
ヒューマンライツ・ナウは
支援者・被害者から
聞き取りを行い被害の実態を調査した

その結果、若い女性たちが
AVに出演するという意識がないまま
プロダクションと契約を締結した途端

「約束だから仕事を拒絶できない」
「仕事を断れば違約金」
「親にばらす」等と脅されAV出演を余儀なくされる事例が後を絶たないことが判明

若い女性の無知や困窮に乗じて衆人
環視のもと意に反する性行為を強要し
その一部始終が半永久的に消す事が出来ず
公にさらされる被害が著しい

人権侵害であり違約金の脅しにより
こうした奴隷的な立場に置かれ
「債務奴隷」ともいえる深刻な事態であり
女性に対する深刻な暴力である

AVプロダクションやメーカー側には
こうした被害に対応する法律は存在せず
監督官庁も無い為、違法行為は野放し状態で
女性は救済すら求める事が出来ない

関連する法律「児童ポルノ禁止法」は
18歳未満の少女のみを対象としており
刑法上の「わいせつ」には該当しないとされる例が多いのが実情である

そして、どんなに残虐な性行為を強要され
さらに虐待されて負傷したとしても
「同意」「演技」だとして強姦、強要、傷害、暴行罪等が立件されるケースは
ほとんど無いとされる

同様に「演技」である等の理由から
売春防止法も全く適用され無いのである

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AV出演は
職業安定法
労働者派遣法上の「有害業務」とされ
プロダクションが雇用する女優を
勧誘することは職業安定法上の
処罰対象となりプロダクションが雇用する
女優をメーカーに派遣して
撮影に応じさせることは派遣法違反として
処罰対象になるが

しかし、業者は巧みに女性との
契約を労働契約でなく
「委任」「委託」などの契約にしてしまい
実際には指揮命令関係があるのに
あくまでそれがないかのように装い
法の適用を免れている

さらに、消費者法制
消費者契約法
特定商取引法
消費者安全法の定義にあてはまらないため
対応する事ができず、勧誘規制や
消費相談センターへの相談解決
さらには業務停止命令等の強い行政処分も
全く発動される余地が無い状態である

AV出演強要に限らず性犯罪被害者は
強い自責感に襲われることが多い

「自分にも落ち度があった」と
思うから警察に通報できず誰にも
相談できない人がいる
そして結果的に、犯罪者を野放しにして
しまうことにつながる

「被害者にも落ち度があったのでは」という
風潮は、加害者側の利にやすやすと
つながってしまう

性犯罪についての報道があるたびに
ネット上では、被害者の落ち度を問う
コメントが書き込まれるが

「被害者の落ち度を問うことは、加害者側の
利につながる」という構造を我々はまず
理解しておくべきだと思う

2016年5月26日午後参議院議員会館で
「AV強要被害の被害根絶を目指して」を
テーマとした院内シンポジウムが開かれた

シンポジウムでは
NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
(HRN)が今年3月に発表した調査報告

「日本:強要されるアダルトビデオ撮影
ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す
女性・少女に対する人権侵害」への反響を
受け、さらに理解を広げるとともに
今後の被害救済の方向性について
議論を深めるために行われたもの

伊藤弁護士らのほか
消費者法の観点から
中野和子弁護士
労働法の観点から
田村優介弁護士が
AV撮影現場で行われている
契約・制作過程での問題点と
課題を説明した

シンポジウムの冒頭
AV出演強要被害に遭った出演者が実際に
自身の体験を語った15分間ほどの
映像が流れた

女性のプライバシーへの配慮から顔を映さず
声も変えた映像だったが

その中で出演者は
「社会に対して言いたいこと」を聞かれ
こう語った

「おそらく皆さんは、私たちみたいな女の
ほうを見て、いやだったら辞めればいいじゃん
辞めなかったほうが悪い
ひっかかるほうが悪いそう思うと思うんです

当然、私も何度もそういう意見を受けてきた
でも本当に自分の意と反することで
どうしてもそういった状況に陥ってしまう人が
いるということを知ってほしい」

被害女性「恐怖、後悔、恥ずかしさ
自分を責める気持ち」

女性は、ときおり声を震わせながら
「息ができなくなるくらい苦しかった」

「恐怖、後悔、恥ずかしさ自分を責める
気持ちでいっぱいだった」
「心が死んだようになっていたと
当時を振り返った

女性によると
契約によって数本の出演が
決まっていたことから1本目の出演後に
拒否しようとしても
「いまさら嫌だというな親に知らせるぞ」
「大学にいうぞ」「違約金を払え」と
繰り返しおどされたと語っている

現在は、支援を受けて
AV出演をやめることができたが
「AVをやっていた期間よりもその後の
人生が長い
ずっとその事実を背負って
生きていかないといけないという
心の負担が大きい」と話した

被害者の落ち度を問うことは
加害者の利につながる

被害に遭ったことがない人は実際の現場で何が
行われているのかを知らないままに
「だまされるほうも悪いのでは?」と
推測してしまう

彼女たちも決して
「自分に落ち度がなかった」とは言わない
むしろ、「自分が悪い」と強く自責している

そして、そういった自責の念が、「だます側」への告発を躊躇させる

被害者が実際に語りづらいこと
被害者の姿が見えづらいことで
伝わらない被害内容がある
これも性犯罪被害の難しい問題点のひとつだ

シンポジウムにはフリーアナウンサーの
松本圭世氏が急きょ登壇

松本氏は2012年から2014年まで
愛知県のテレビ局に勤務していたが
週刊誌に「AV出演疑惑」を報じられたことをきっかけにすべての出演番組を降板して辞職

「出演した」とされた映像は
学生時代に「バラエティー番組の収録」と
だまされて飴をなめている姿を
撮影されたもので、映像は無断で
アダルトビデオの冒頭部分に使われていた

松本氏が、自身の映像がアダルトビデオに
使われていることを知ったのは
報道が起こってからだったという

「報道が出てから出演していた番組のすべてを降板し、1年以上アナウンサーとしての
仕事はできなくなりました
ごはんものどを通らず毎日泣いて過ごしました

今となっては笑って話せることもあります
でも当時は世間からの声も本当に厳しくて
自殺も考えたと言う

私に落ち度があったのではないかと思われる
方もいると思います
落ち度がゼロだったとは言いません
現実で起こっていることについて
知らないことが多すぎて
そういうだまし討ちのように撮影

行われていることや
契約書の控えをもらわなければいけないこと
撮影の後に
『使わないでください』と言って『大丈夫』と言われてもそうではないということ
そういう被害に遭った際に
誰に相談すればいいかもわかりませんでした

わからなかったから、忘れたころに
騒がれることになってしまいました
だから、皆さんの前でこうして話すことで
被害に遭う人が少なくなることに
つながればと思っています」

また、松本氏は、被害に遭った人に対しての
偏見についても語った

「だまされるほうが悪いというのは違う」

「こうやって人前で話せるようになるまでは
時間がかかりました
偏見、だまされる女性が悪いという
風潮があります

だから表に出るのが怖かったです
でも、もし皆さんのご両親がオレオレ詐欺で
何千万円も取られてしまったら
だまされた親が悪いと皆さんは
思うのでしょうか?

脇のあまさは私もあったと思うけれど
単にだまされるほうが悪いというのは
それは違います

被害者が声をあげやすい
世間が被害者の声を聞く
そうなっていうように祈っております」と
話した

「AV業界全体を撲滅したいわけではない」

また一方で松本氏はシンポジウムの最後に
「これは私の考えですが」と前置きしたうえで

「AV業界のすべてを否定したいという
立場ではない」

「友達の中には、前向きな気持ちで
AVの活動をしている人もいます
ただ、(AV強要の)被害があるというのは
間違いようのない事実

AV業界全部をなくしたいというわけではなく被害については救っていかなければ
長い道のりになるかもしれないけれど
頑張っていきたい」と述べた

HRNの伊藤氏も
「松本さんと同意見」と発言

「業界を撲滅したいと考えているわけではない被害がどれだけ多いかわからないけれど
深刻な被害を受けている人たちが私たちの
周りにもいるかもしれない

被害に遭った人が悩みを抱えたまま
救済手段がない現在の状況を変えていければ」と続けた

AV強要問題における訴えに関して
一部の業界関係者から反発もある

反発の中には
「業界内の全てで強要が行われている
わけではない」
「ごく一部で行われていることを過大に訴え
業界全体に悪いイメージを植え付けようと
しているのではないか」といった意見もある

しかし、調査報告書の中には
「真に自由な意思でAVに出演するケースも
あると考えられるが
本調査はあくまで、AV出演の課程で
発生している人権侵害事例に着目しその解決について提言をしようとするものである」という一文があり、伊藤氏が今回明言した通り
業界全体の撲滅を意図する活動ではないはずだ

どちらにとっても誤解のないように
意見交換を行い
HRNと業界側が協力することが
被害者の救済につながり
ひいては業界の健全化につながる

IPPA「AV業界は重く受け止める
べきであり、改善の必要がある」

HRNは今回
「AV業界を横断的に網羅する団体」として、NPO法人知的財産振興協会(IPPA)を
招待したが
IPPAは「スケジュールが調整できない」
ことから、出席しなかった

代わりに前日に書面の通達があったといい
この書面の中でIPPAはHRNに対し
「意見交換などの協力」を求めた
下記がシンポジウムで読み上げられた書面の内容を要約したもの

HRP2

「前略、私共はNPO法人知的財産振興協会と申します(略)

成人向けの実写・アニメ・ゲームなどの
制作会社、メーカーが会員となり
関連する約240社の作品の著作権保護
自主規制の基準統一推進
業界活性化を目指してのイベント主催などに
取り組んでいる協会団体です

当然ではございますが
海外サーバーを利用して無修正AVの制作
配信を行う制作会社
メーカーは弊会員にはおりません

アダルトビデオの制作会社
メーカーが中心の団体となりますので
出演女優の方が登録されております
プロダクション、作品を取り扱われている
流通販売など、AV作品に携わる全体を
網羅しているわけではありませんが
制作会社の団体としての立場より
現在の考えを中心にお伝えさせていただきます

御団体が、平成28年3月3日に発表された
報告書は、発表と同時に弊協会でも精読させていただいております
この中で報告されている被害の実例は目を
疑うものであり、被害を受けたご本人様
関係者様の心痛は察するに余りあるものです

この報告書につきましては
業界関係者を始め、様々な方々がご意見を
発信されておりますが
弊団体としましては、被害に遭われた方々が
実際に存在しているということに関しては

AV業界は重く受け止めるべきであり
改善の必要がある、と感じており
制作会社の団体として何ができるのか
何に取り組むべきかの検討を進めておりました

現在、その検討を進める過程で
御団体のご協力をお願いできないかと
考えております

御団体は、AV業界内の私共では見えない
側面が見えておられると存じます
内外両方から見えるもの
知っていることを合わせ調整することにより、今回のようなAV被害をなくしていく
システムを整備し、AV業界の健全化を
一歩進められるのではないかと思います

HRN3

御団体におかれましては
弊協会との意見交換などの協力を
お願いできれば幸いでございます
以上、簡単ではございますが、弊協会の考えをお伝えさせていただきます」

IPPAがシンポジウムに欠席したことを
否定的にとらえる向きもあるかもしれないが
それでも文書でHRNと協力する
姿勢を伝えたことを一歩前進ととらえることはできないだろうか
今後の行方を見守りたい

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