福島第一2号機、核燃料7割以上が溶融か 名大など発表

2号機の核燃料、7割以上溶融か…素粒子で観測で

(9月27日朝日・産経新聞記事から流用)

名古屋大の森島邦博特任助教(素粒子物理学)は26日
東京電力福島第一原子力発電所2号機は、核燃料の70%以上が溶融した可能性があるとの
分析結果を宇宙から降り注ぐ素粒子を使って、2号機の原子炉内に残る核燃料の量を初めて
観測したと大阪市内で開かれた日本物理学会で発表した

同大は昨年から東芝と共同で物質を通り抜けやすい素粒子の一種「ミュー粒子」が
コンクリートや鉄は突き抜けるが、ウランなど密度の高い物質には遮られやすい性質があり、
核燃料の位置を調べるのに使われている

2号機の周辺に検出フィルムを置き、原子炉を通り抜けるミュー粒子の量などを昨年春から
観測していた
その結果、炉心には、粒子の進路を妨げる場所がほとんど見られなかった

事故を免れた5号機との比較で2号機の炉心に核燃料がほぼ存在しないとの結果を得て
解析の誤差も考慮し、溶け落ちた核燃料は70~100%の可能性が高いと結論づけたが
落ちた核燃料がどこにあるかは確認できていないという
名大の森島邦博特任助教は「今回の結果を将来の溶融燃料の取り出し方法の
検討に役立ててもらえれば」と話す

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東電は、これまでのコンピューター解析などから一部は炉心に残っていると推定して
2号機の核燃料の57%以上が溶融して炉心から落下したとしていたが
ミュー粒子を使ったより精度の高い透視やロボットによる内部探査でさらに調べる予定という

新装置で溶融燃料の成分計測へ 取り出し手法の確立目指す

東京電力は平成28年度にも、福島第一原発1、2、3各号機に残る溶融燃料(燃料デブリ)の
成分を正確に計測できる国内初の新型装置を導入する予定
溶融燃料は事故により変質した可能性が高く

取り出し作業を安全に進める上で状況把握は不可欠だとされている
調査結果を詳細に分析した上で、廃炉作業で最大の課題といわれる燃料デブリの搬出法を確立する

日本原子力研究開発機構(JAEA)が新型装置の開発を進め
東電と導入時期などを協議している
装置の構造は直径数ミリの光ファイバーの本体部分と成分計測器からなり、遠隔操作ができる

 燃料デブリ調査のイメージは【図】の通り

燃料デプリ

光ファイバー先端部分に高線量に耐える仕様のカメラやセンサーを取り付け
原子炉圧力容器内などに投入する燃料デブリに接近してレーザー光線を照射してこの際、
発生した光を基に構成物質を調べる原発事故では、溶けた核燃料が原子炉圧力容器を突き破る溶融貫通(メルトスルー)という
現象が起きたが
燃料デブリには圧力容器の金属をはじめ、原子炉格納容器底部のコンクリート、炉心冷却のために
注入された海水の塩分などが混じっているとみられる
正確に成分を把握せずに取り出し作業を行えば
空気に触れて予想外の化学反応が起き、核物質が変化する懸念もあるという東電は新型装置による計測で得られた結果を
燃料デブリの取り出し計画作りに反映させる予定
JAEAは原発事故発生前の平成17年から、原子炉内にある核燃料の状況を離れた場所から正確に
捉える目的で新型装置の研究を進めてきた
開発は最終段階を迎えており、光ファイバーの先端を確実に燃料デブリに近づける研究を
急いでいるという
JAEAの担当者は「廃炉の全工程で活用できる技術、早い時期に現場に投入
できるようにしたい」としている一方、東電は
「成分分析の機器は画期的で、廃炉の加速につながる」と期待している

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原子力損害賠償・廃炉等支援機構

福島第1原発事故により巨額の賠償責任を負った東京電力を支援する目的で設立された
原子力損害賠償支援機構に、廃炉・汚染水対策部門を加え昨年8月に発足した
東電に指導、勧告する権限を持ち、廃炉を加速する「司令塔」の役割を担う
原子力や土木工学の専門家を中心とする委員会で溶融燃料の取り出し時期や
工法、必要な技術開発を検討している

1号機の燃料デブリの状況

工法

東電は2月から5月にかけて、宇宙線「ミュー粒子」を利用し
1号機の燃料デブリの状況を調べた
原子炉圧力容器にあった核燃料はほとんど溶け落ちていた
2、3号機についても今後、調査する
4月には1号機の原子炉格納容器1階部分にロボットを投入2地点で画像を撮影
放射線量の測定に成功した
しかし、燃料デブリがある位置や量、形状を把握できなかった

中長期廃炉計画

(8月12日記事から流用)

政府は東京電力福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)
を改定した
1~3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し開始時期について、最大で3年程度遅らせることを
正式に決めた
一方、溶融燃料(燃料デブリ)の取り出し開始時期や、最大40年とする廃炉完了時期の枠組みは維持
地元の要望を踏まえ、汚染水対策などについて、今後数年の具体的な作業目標を示した

改定は平成25年6月以来2年ぶり

1日当たり約300トン増加するとされる、建屋への地下水流入量は28年度内に100トン未満に抑える
建屋にたまった高濃度汚染水は、浄化処理により放射性物質の量を30年度内に半減させる
汚染水の処理などを進め、今年度内に敷地境界の実効線量を現在の年間1.4ミリシーベルト程度から
同1ミリシーベルトまで低減させることも盛り込んだ
プールからの燃料取り出しを今年度上半期としていた3号機は、29年度に変更する
前回改定時は29年度としていた1、2号機は、いずれも32年度に先送りした
3基ともに、34年度までに取り出しを終える計画
廃炉工程で最難関とされる燃料デブリの取り出しは、デブリがあるとみられる格納容器を水で満たす
冠水工法に加え水を張らない気中工法も選択肢とする
30年度上半期までに工法を絞り込み

福島第1溶融燃料取り出し「冠水」など3工法検討

33年内に最初の号機で取り出す方針は変更しなかった
改定を受けて会見した福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は
「無理のない工程」と強調した上で、安全に作業を進めることで早期完了につなげ
可能な限り速やかに廃炉を目指したい、と述べた

(4月1日発表)
東京電力福島第1原発の廃炉作業における中長期的な方針を示す「戦略プラン」の全容
最難関となる溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しで重点的に取り組む工法を、原子炉格納容器を水で満たす
「冠水」など三つに絞り込み、検討すべき課題を挙げた
政府の原子力損害賠償・廃炉等支援機構が策定を進めており、近く正式に公表する
今回、初めて策定する戦略プランは、炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機での
燃料デブリ取り出しと廃棄物対策の2分野で構成。政府が公表した
第1原発の廃炉作業に向けた「中長期ロードマップ」に技術的な根拠を与える土台となり
プランの内容を踏まえたロードマップの改訂も近く発表する
戦略プランでは、燃料デブリを取り出すために取り組む工法として、
(1)原子炉上部まで水を張る冠水工法で上から取り出す
(2)デブリがある原子炉底部に水を張る気中工法で上から取り出す
(3)気中工法で横から取り出すの三つを挙げた。
冠水工法の場合、燃料デブリ取り出し時に発生する放射性物質の飛散を防止できる一方
損傷した格納容器を補修して止水することが前提となるため、
「補修方法や水位を安全に管理できるシステムを構築する必要がある」とした。
気中工法は、冠水工法と比べて燃料デブリの冷却や放射線の遮蔽(しゃへい)効果が期待できないため
冷却の可否や取り出し時に放射性物質が飛散した場合の影響評価を課題に挙げた
現在、1~3号機では、燃料デブリ取り出しの準備段階として、原子炉建屋にある
使用済み核燃料プールからの燃料取り出しや、建屋内の除染に向けた作業が進んでいる
戦略プランでは、最初に燃料デブリの取り出しを行う号機で、2016年度後半を目標に工法を選定するとしている
廃棄物については、原子炉建屋の地下など、廃棄物の性状を見極めるサンプリングができていない場所があるとして
採取方法を含めた計画を策定すべきだとした
機構は今後、現場の状況変化や研究開発の成果を踏まえて継続的にプランを見直す方針

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